2026.08.08
動画が当たり前の販促手段になった一方で、「とりあえず作ったものの、何に使えばいいか分からない」——そんな声も少なくありません。作り手のこだわりが先に立ち、「相手が本当に必要としているもの」から離れてしまうこともあります。
そんななか、営業を担う宮本さんと、品質管理・編集を担う西さんが二人三脚で率いるのが、映像制作チーム「MINI」です。企画から撮影、編集までワンストップで対応し、特に編集に強みを持つ20名以上の体制。「相手が一番求めているものを作りきる」という一点で、営業と制作がひとつながりになっているチームです。
もともとは動画編集スクールの「講師」と「受講生」。そこからチームになった経緯から、この仕事に飛び込んだきっかけ、キャリアに悩む方へのメッセージまで、お二人にじっくりお話をうかがいました。
チーム概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| チーム名 | MINI(ミニ) |
| メンバー | 宮本高行 (営業・ディレクション担当)/西翔太(品質管理・編集担当) |
| 事業内容 | 映像制作(企画・取材・撮影・構成・編集をワンストップで対応)/営業代行 など |
| 強み | 特に編集。SNS・ショート動画からブランディング映像まで対応 |
| 体制 | 編集20名以上、チーム全体で約40〜50名 |
| 制作実績 | MINIチームとして2年で約1,000本、チーム全体では累計1万本超 |
企画から編集までワンストップ、強みは「編集」
——まず、事業内容を教えてください。
宮本さん: 映像制作 -取材・撮影・企画・構成・編集を主たる事業としつつ、他社サービスの販売・提案代行といった営業代行も並行して行っています。動画だけでなく、お困りごとがあればとりあえず何でも相談してみてください、というスタンスですね。
西さん: 動画の制作をやっています。企画から撮影、編集までワンストップで対応していて、特に編集に強みを持ったチームです。もともと自分が独学で編集をやってノウハウを積み上げてきたんですが、その技術をチームに共有して、今は20名以上の編集体制で動いています。映像の講師業もやっているので、教育と制作、両軸でまわしている感じですね。
「教える」か「作る」か——”営業”と”編集”がひとつながり
——他社との違い・競合優位性を教えてください。

西さん: 大きく2つあって、1つは「こだわりを持って、クライアントの求めるものを作りきる」ということ。いろんな方と話していると、やっぱり「自我を出したがる」人が多いんです。
自分の作品を見てもらうのではなく、相手が欲しいものをちゃんと作りきれるのが、うちの一番の優位性かなと。もう1つは、企画から編集まで全部自社で完結できるので、いろんなところに分散して発注せずに済む。だからクオリティの一貫性が、他社に比べて出しやすいんです。少数精鋭だけど、ちゃんとキャパもある、というのが特徴だと思います。
宮本さん: もう少し踏み込むと、営業の部分ですね。大体のクライアントさんは映像を作るのが初めてで、「なぜ作るのか」「どう活用するのか」が分かっていない方がほとんどなんです。
だから僕は、「今それを作って意味がありますか」というところまでちゃんとお話しします。お金をかけて作ったけど、結局何に使うか分からず、嫌な気持ちになられるのが一番困るので。目的を言語化できないのであれば「やめた方がいいですよ」とまでお伝えした上で、お受けしています。
もう一つの強みは、人数を用意できること。スクールの講師をしているメンバーもいて、僕が別で引っ張ってきたチームと合わせると、MINI全体で今40〜50名ほどいます。ショート動画のような依頼であれば、大量でもしっかり回せる。ただし、高いレベルが求められる案件は人が限られるので、そこは今、育てているところです。
顧客に伝わりづらい、「マニアックな」強み
——顧客にはなかなか伝わりづらい、マニアックな強みはありますか。
西さん: これは僕自身の話になるんですが、編集していて「見えてしまったもの」は、手間がかかっても組み込むんです。誰かと誰かが話してる時に、ふっと面白い映像が頭をよぎる。イラストにその人の顔を当てはめて、びっくりしている絵が見えちゃう。そうすると「作らないと」となる。それを妥協するのは違うな、と。ただ、やりすぎると再現性がなくなって、下のメンバーに落とし込みづらくなる。だから、こういうマインドを持った編集者が増えてくれると気持ちいいな、と思っています。
宮本さん: チーム運営の面で言うと、かなり細かくフィードバックをします。スキルアップの助言だけでなく、業務委託のメンバーのメンタルケアまで。「もっとこうしていくべきだ」というビジョンを見せて、「ちゃんと稼げるんだよ」ということ自体を伝えることで、より真摯に向き合ってもらえる環境をつくる。しかもそれは、チームとしてのビジョンだけでなく、「個々のビジョン」を一緒に作るイメージなんです。どういう生活環境で、いくら稼ぎたいのか。「じゃあこれだけの金額が入ると、こういうことができるよね。じゃあこれを目指そう」というところまで話します。

上下関係より「ちゃんと動く」——チームのカルチャー
——MINIチームは、どんなカルチャーですか。
西さん: うちは、上下関係というより「ちゃんと動く」がベースのカルチャーです。横並びで、役割に上下はない。こだわりは強いけど、それが「お客様優先」のラインからは外れないように、みんなが揃っている。20名以上いると考え方のズレは出てきますが、「相手の求めているものを1番に考える」という共通認識があるので、判断に迷ったときもそこに戻れる。編集者同士でも、分からないことを聞き合って問題解決してくれるチームになっています。
宮本さん: 基本は「仕組み作り」だと思っていて。自由に動けて、西さんがいることで質問もできるし、編集者同士で繋がることもできる。クライアントと直接繋げることもあります。責任は僕らに”丸投げ”できる、かなり動きやすい状況をつくっているんです。さらに「うちの仕事だけじゃなくていいよ、他も取ってきていいよ」と。新しいチャレンジは全力で応援して、「みんなで底上げしていこう」という感覚ですね。営業のやり方も、聞かれたら教えます。全員が好きなように上がっていければいい、という文化かもしれません。
この業界に飛び込んだきっかけ
——そもそも、この業界に飛び込んだきっかけは何だったのでしょうか。
宮本さん: 元々は、光通信グループの「EPARKクリニック病院」というサービスで、医療機関向けにポータルサイトの掲載やホームページ、予約システムといった無形商材を売る営業をしていました。短い期間ですが、売上は全国で1番で、最大で月2,000万円規模を売っていた時期もあります。ただ、口先で無形商材を売っていて、しかも売り手と作り手が完全に分かれていて、アフターケアもない。「本当にこれは喜ばれているんだろうか」と感じていたんです。それで「喜ばれる仕事がしたい」と思って辞めました。ちょうど友人に「お前は器用やから、動画をやったら仕事取れると思うよ」と言われたのが、動画業界に入るきっかけです。当時は利益がどうこうより、クライアント満足度1点だけを軸にしていましたね。
西さん: 僕は、そんな綺麗なきっかけではないんです(笑)。1社目のIT営業で体を壊して、派遣を経て教育業界に入ったんですが、年収250万円くらいで残業代も出ない。「このままじゃ将来やばいな」とシンプルに思って。ちょうどビジネス系YouTubeが盛り上がり始めた頃で、プログラミングと動画編集の2つを学んだんです。動画編集の方は1週間くらいで成果が出て、単価は安かったけど、自分の力で初めて0→1を達成できた。それが嬉しくて「もう少し続けてみよう」と。最初のきっかけは、本当に「お金がなかったから」でした。この”嬉しい”という感覚を持てるかどうかが、編集を続けられるかの分かれ目だと思っていて、講師として受講生にもそう伝えていました。

「講師を引き抜くために、スクールに入った」——二人の馴れ初め
——お二人がチームになった経緯を教えてください。
宮本さん: かなり腹黒いエピソードなんですが(笑)、僕、元々は映像の編集はできたんです。スクールに入る必要は全くなかったんですが、「仕事の取り方が分からない」「1人でやっていけるか分からない」ので、”できる人間を口説きたかった”。つまり、講師を引き抜くのが目的でスクールに入ったんです。そこでたまたま講師だったのが西さんで、直感で「この人だ」となって、「次にスクールの校舎に来られるのはいつですか?」と頻繁に聞いて、個人LINEまで交換して通い詰めました。仕事も辞めていた時期で15万円払ったので、引き抜けなかったら痛かったんですが、なんとかなって良かったです。
西さん: もともと動画編集スクール(動画編集CAMP/大阪校)で、先生と生徒の立場でした。当時は僕もプレイヤーとしてゴリゴリやっていて、「編集で忙しいのに、めっちゃ会いに来るやつがいるな」と思っていましたね(笑)。最初は「営業が苦手なので、そのお手伝いを宮本さんにお願いする」くらいの関係だったんですが、今となっては頼りになる制作パートナーです。生徒が講師を引き抜くって、宮本さんくらいじゃないですかね。
一番ハードだった経験
——これまでで一番ハードだった経験を教えてください。
宮本さん: 「できます」と言われて納品されたものが、指定と全く違うもので、翌日納期。22時間くらい、寝ずに、お風呂も入らず、ご飯も食べずに全て修正して間に合わせたのが一番きつかったですね。1時間尺で4人にモザイクをかける案件で、当時は自動追従もできなかったので、数フレームごとに手で追わせて。あの編集は本当にしびれました。
あともう一つ、初めて受けた撮影の仕事が、絶対に失敗できない緊張感のある現場で。当日が豪雨でカメラが使えず、結局すべてスマホで撮影して、撮り終わった瞬間にカメラは水没。そのうえ、記念パーティーの席でいきなり挨拶までさせられて。ずぶ濡れのまま「おめでとうございます」と言った、あの一件はメンタル的にやばかったですね(笑)。

西さん: 4〜5年前、どんな低単価でも、誰から振られてもイエスマンだった時期があって。仕事がとんでもなく重なって、スクールのイベント登壇と、振替授業と、編集案件が何本も同時に来た。ほぼ3徹で、椅子に体育座りして1時間だけ仮眠を取る、というのを繰り返していました。当時はサラリーマンもしていて、副業と合わせて月の残業は余裕で200時間超え。それだけやって年収は960万円くらいで、「この生活をして1,000万円いかないのか」と。そこから働き方を根本から変えました。あのハードな時期が、僕にとっての転換点でしたね。
動画制作で、一番意識していること
——動画を作るとき、どんなことを意識していますか。
西さん: 1番は「自分が作りたい」を一旦脇に置くことです。クライアントさんが一番求めている動画は何なのか、それを”完成形から逆算”するように毎回意識しています。色やカットのテンポ、BGM、1秒の「間」まで、相手が納得するものを作れるか。そこに全振りしています。こだわりが強い自分なので、出しすぎないようにバランスを取るのも大事なポイントです。
わかりやすく言うと、「ベン図」なんです。クライアントが求めているものと、その先の”視聴者”が求めているもの。その重なる部分を狙って作る。それができるのは、うちにその重なりをカバーできるだけの技術力があるからで、どんな要望が来ても対応できるのが強みだと思っています。

宮本さん: 近いんですが、僕は営業の段階から考えます。クライアントさんって、注文はしてくれるけれど、その”目的と手段”がズレていることがめちゃくちゃ多いんです。「本来の目的に行きたいのに、その動画、いる?」というような。だから、まず目的と必要性を整理して、「目的から考えたらこうじゃないですか」と落とし込む。そのすり合わせをした上で、決まった形を西さんがちゃんと作ってくれる。「これを作って」と言われて、「じゃあ、それ以上のものを納品します」という意識が、うちには常にあります。営業と制作がシームレスに繋がっているのは、二人の連携が取れているからですね。
直近の依頼と、これから挑戦したいこと
——直近はどんな依頼が多いですか。また、これから注力したい方向は。
西さん: 最近はやはり、YouTubeやSNS向けの動画が多いですね。ショートから長尺まで、用途に合わせたバリエーションが増えています。あとは、イベントのダイジェスト動画や、ブランド系のPR動画など、「ちゃんとブランディングまで踏み込んで作ってほしい」という相談も増えてきました。「なんでも作れる」という強みが活きる案件が、結果として増えている感覚です。
宮本さん: 僕が元々営業だったこともあって、動画にとどまらず、クライアントのサービス販売そのものを支援する依頼も増えています。HP制作やMEO対策、求人サービス、代理営業のアドバイスなど、幅広く。そのうえで、これから注力したいのは、ブランディング系や大規模な案件です。僕と西さんの”合作”と呼べる代表作を、もっと増やしていきたい。しっかり単価をいただける仕事を取ってくることが、編集者に還元することにも繋がるので、そこは二人の役割だと思っています。
二人が「一緒にやろう」と思えた理由
——最初に受けた印象と、「この人と組もう」と思った決め手を教えてください。
西さん: 第一印象は、正直「ガツガツ来る、営業っぽい人だな」でした(笑)。映像業界って、どちらかというと一歩引くタイプが多い中で、宮本さんは今までにないタイプで。でも、一緒にやろうと思ったのは、ちゃんと”口だけじゃなくて成果を出す人”だったから。「やれよ」と言うだけでやらない人も多い中、宮本さんは色々考えて、それを行動に移し、”仕組み”を作り出す。そこがすごいな、と思ったんです。
宮本さん: 僕は西さんを口説きに行った側なので(笑)。まず、講師としての実績・ノウハウがあるので、「この人がいたら仕事が取れるな」と思ったのが一つ。もう一つは、人間性です。「お金はいらないので、ついていかせてください」と伝えたときに、「いや、手伝ってもらう以上、お金は払います」と、何も実績のない僕にちゃんと言ってくれた。当たり前のようで、その誠実さとレスポンスの早さが信用できたんです。ビジネス面も人間面も、両方いける、と思いました。

キャリアに悩む方へ
——最後に、就活生やキャリアに悩む方へ、一言ずつお願いします。
宮本さん: ちょっと尖ったことを言うと、最初に働く会社なんて、正直どこでもいいと思っています。「経験を積め」という話ではなく、まず本気で働いて「いくらもらえるのか」を見る。足りなければ、副業でもいいので”稼ぐこと”を意識してほしい。その結果、「この仕事をやりたいのか、やりたくないのか」が見えてきます。やりがいとお金は天秤で、僕はお金は稼げたけどやりたくなかったから辞めました。どこで働いてもそのジレンマは来るので、まずはどこでもいいから本気でやり切る。20代は遊ばなくていいので、本気で働いてほしい。その上でやりたいことが見つかったら、いきなり辞めるのではなく、副業から始めるのがおすすめです。
西さん: 僕は逆に、「自分が楽しい・ワクワクすると思えるか」で選ぶ方がいいと思っています。僕の人生、そうやって選んできた結果、大きな挫折はなかったんですが、唯一、就活で1社だけ「大企業だから」という理由で選んで、そこで大きく躓きました。だから、大企業か中小かという観念にとらわれず、自分がやりたいと思う方向に進んでほしい。もちろん大変なこともありますが、無理して続けなくていいと思うんです。転職したことがない人は「早く辞めたら将来やばい」と不安に思うかもしれませんが、意外と人生はなんとかなります。しんどかったら別の道を目指す、それでいいと思います。
本日はお忙しいなか、貴重なお話をありがとうございました。営業の宮本さんと、編集の西さん。役割はまったく違うのに、「相手が一番求めているものを作りきる」という一点で、驚くほど揃っているお二人が印象的でした。二人三脚のMINIチームがこれから生み出す”代表作”を、楽しみにしています。

